「わざわざ」という言葉は日常よく使われますが、目上の人に使う場合やビジネスシーンではちょっと使いにくいと感じたことありませんか?
この記事では、ビジネスシーンや目上の人に対して使える「わざわざ」の言い換え表現を解説します。さらに、英語での言い換え表現も紹介しているので、場面に合わせた言い換えを見つけてください。
今すぐ使える「わざわざ」の言い換え
「わざわざ」の言い換えについて、ビジネスシーン向け、英語での会話で使える表現を紹介します。
これらの言い換え表現はビジネスシーンに限らず、友達との会話やメール、論文やレポート作成などさまざまな場面で使えるので、ぜひ参考にしてください。
ビジネスシーン向け | 英語 |
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それぞれ詳しく解説していきます。
「わざわざ」の言い換え【ビジネスシーン向け】
「わざわざ」の言い換えとして、ビジネスシーンでも使える表現を紹介します。
せっかく
「せっかく」には、主に2つの意味があります。
1つは、苦労して手に入れたものや、貴重な機会のことを意味し、もう1つは、努力や準備をしたのに、その結果が得られないことへの残念な気持ちを意味します。
例文 1せっかくの機会なので、ぜひ参加していただきたいと思います。
例文 2せっかくいただいたご提案を変更してしまい、申し訳ございませんでした。
ご丁寧に
「ご丁寧に(ごていねいに)」は、「丁寧に」の尊敬語で、相手の行動が非常に丁寧であった場合に、その心遣いに対して感謝の意を表すために使われます。
例文 1ご丁寧に資料を送っていただき、ありがとうございます。
例文 2ご丁寧に対応いただき、大変助かりました。
お忙しいところ
「お忙しいところ(おいそがしいところ)」は、相手が多忙な中で特別な行動を取ってくれたことへの感謝を表します。
例文 1お忙しいところ、お会いいただきありがとうございます。
例文 2お忙しいところ、ご対応いただき、深く感謝しております。
お忙しい中
「お忙しい中(おいそがしいなか)」も「お忙しいところ」と同様に、相手が忙しい時間を割いてくれたことへの感謝を表す言葉です。
例文 1お忙しい中、ご面接の機会をいただき、ありがとうございます。
例文 2お忙しい中、迅速なご返答をいただき、ありがとうございました。
~していただいたのに
「〜していただいたのに」は、相手が親切に何かを言ってくれたにもかかわらず、結果が期待通りにならなかった時に用いる、残念な思いを伝えるフレーズです。
例文 1遠路はるばるお越しいただいたのに、会議が延期になり申し訳ありません。
例文 2お忙しい中、資料を準備していただいたのに、使えなくてすみません。
お手を煩わせて
「お手を煩わせて(おてをわずらわせて)」は、相手に手間をかけさせてしまったことに対するお詫びや感謝の意を示します。
例文 1このような小さな問題でお手を煩わせてしまい、申し訳ございません。
例文 2ご多忙のところ、手を煩わせてしまい、心からお詫び申し上げます。
遠路はるばる
「遠路はるばる(えんろはるばる)」は、相手が遠い場所から来てくれたことに対する感謝を表します。
例文 1遠路はるばるお越しいただき、ありがとうございます。
例文 2遠路はるばるのご訪問、大変感謝しております。
ご足労いただき
「ご足労いただき(ごそくろういただき)」も「遠路はるばる」と同様に、相手が移動することによる労苦を感謝する表現です。
例文 1本日はご足労いただき、ありがとうございました。
例文 2こんなに遅い時間にご足労いただき、大変恐縮です。
ご面倒をおかけして
「ご面倒をおかけして(ごめんどうをおかけして)」は、自分のために相手が手間をかけてくれたことを感謝し、同時に謝罪する場合に使います。
例文 1短い期間での準備となり、ご面倒をおかけして申し訳ありません。
例文 2このような突然のお願いで、ご面倒をおかけしてしまい大変恐縮です。
「わざわざ」の言い換え【英語】
「わざわざ」を英語で言い換える場合、以下のような表現があります。
all the way
「all the way」は、「遠くから」「はるばる」という意味で、大きな努力を払って何かをする様子や、長距離を移動することを表します。
例文 1She came all the way from Japan just to see the concert.(彼女はそのコンサートを見るために日本からはるばる来ました。)
例文 2He drove all the way to the coast despite the bad weather.(彼は悪天候にもかかわらず、わざわざ海岸まで運転してきました。)
go out of one's way
「go out of one's way」は、「わざわざ遠回りをする」「非常に努力する」という意味で、他人のために特別な努力をする様子を指します。人を助けるためや、何か親切な行動をする際に用いられます。
例文 1He went out of his way to help me move my furniture.(彼は私の家具を移動するためにわざわざ遠回りをしてくれました。)
例文 2She always goes out of her way to make guests feel welcome.(彼女はいつもゲストを歓迎するためにわざわざ努力します。)
take the trouble to
「take the trouble to」は、「わざわざ面倒を見る」という意味で、何かを成し遂げるために余分な努力をする様子を表します。
例文 1He took the trouble to bake a cake for my birthday.(彼は私の誕生日のためにわざわざケーキを焼いてくれました。)
例文 2She took the trouble to explain the procedure in detail.(彼女は手順を詳しく説明するためにわざわざ面倒を見ました。)
specially
「specially」は、「特別に」「特に」という意味で、何かが特定の目的や要求に合わせて行われる様子を表します。製品が特定のニーズに合わせて作られたり、特別な機会のためにわざわざ何かをする際に使われます。
例文 1She specially prepared a meal for us, knowing we were coming.(彼女はわざわざ私たちが来ると知って、食事を用意してくれた。)
例文 2I drew this specially to give to you.(私はあなたに渡すためにわざわざこれを描いたのです。
bother to do
「bother to do」は、「わざわざ〜する」という意味で、特に必要ではないけれども、追加の努力を払って何かをする様子を指します。面倒なことでも積極的に行う姿勢を示します。
例文 1He didn't even bother to call and let us know he was late.(彼は遅れると知らせるために電話することさえわざわざしませんでした。)
例文 2She bothered to write a thank-you note for every gift she received.(彼女は受け取ったすべての贈り物に対して、感謝の手紙をわざわざ書きました。)
intentionally
「intentionally」は、「意図的に」「わざと」という意味で、何かが計画されたり、特定の結果を目指して意図的に行われる様子を表します。
例文 1He intentionally avoided mentioning the incident.(彼はその事件について言及することをわざと避けました。)
例文 2The feature was intentionally designed to be user-friendly.(その機能はユーザーフレンドリーであるように意図的に設計されました。)
「わざわざ」の意味や注意点、便利な言い換えを分かりやすく解説
「わざわざ」の意味を確認
「わざわざ」とは、ある行為をするために特別の努力や手間をかけることを表す表現です。何かをする際に、通常必要とされる以上に時間や労力を投じる様子を指します。この言葉は、相手への配慮や感謝、または自分の行為に対する強調を表す際によく使われます。
わざわざを使った例文
- 遠くからわざわざ会いに来てくれて、ありがとう。
- こんなに遅い時間にわざわざ電話してしまって、申し訳ない。
- 彼はわざわざ手紙を書いて、お礼を伝えてきた。
- 彼女はわざわざ私の好きなお菓子を買ってきてくれた。
- わざわざ足を運んで頂き、本当にありがとうございます。
「わざわざ」の語源
「わざわざ」という言葉は、漢字で「態々」と書きます。
この言葉の起源は、「態々し(わざわざし)」という古語にあります。「態々し」には、「わざとらしい」という意味合いが含まれており、元々はネガティブなニュアンスを持つ言葉でした。つまり、何かをする際に不自然に見えたり、必要以上に力を入れている様子を表していたのです。
時代とともに意味合いは変化し、現代では、「わざわざ時間をかけて」「わざわざ遠くまで」のように、特別な努力や意図を持って行動することを指す意味で使われます。
「わざわざ」を使用する際の注意点
「わざわざ」という言葉は、使い方を誤ると相手に不快な印象を与えてしまう可能性があります。この言葉を使用する際は、以下のような点に注意しましょう。
1. 目上の人やビジネスシーンでは、丁寧語と組み合わせて使う
「わざわざ」という表現は、そのままでは丁寧語にあたらないため、目上の方やビジネスの場面で使う際には丁寧語を加えることが大切です。これにより、相手の労力を考慮した感謝の意を伝え、手間をかけさせてしまった申し訳なさや、感謝の気持ちを適切に示すことができます。
言い換え前
⇒「わざわざ来てくださったのですね。」
言い換え後
⇒「わざわざお越しいただき、ありがとうございます。」
2. 相手に断りを入れる場合には使用しない
「わざわざ」という表現は、そのままでは丁寧語にあたらないため、目上の方やビジネスの場面で使う際には丁寧語を加えることが大切です。これにより、相手の労力を考慮した感謝の意を伝え、手間をかけさせてしまった申し訳なさや、感謝の気持ちを適切に示すことができます。
言い換え前
⇒「わざわざご連絡いただく必要はありません。」
言い換え後
⇒「特にご連絡をいただく必要はございません。ご配慮いただきありがとうございます。」
3. 自分の行動に対して使用する場合
自分の行動に対して「わざわざ」という言葉を使用すると、「わざわざ〜をしてあげた」という恩着せがましい印象を与えてしまいます。
言い換え前
⇒「わざわざ確認メールをお送りいたしました。」
言い換え後
⇒「確認のため、メールをお送りいたしました。」
まとめ
「わざわざ」は便利な言葉ですが、状況に合わせてさまざまな言い換えが可能です。今回紹介した言い換え表現を活用することで、より丁寧で適切な言葉遣いを心がけましょう。